こども社長の魔法のブログ

(株)ケイピーエス代表取締役角田恭平による音楽・ライブハウス・人生の読み物

チケット不正転売禁止法の施行が音楽業界に革命をもたらす

正しい利益が、正しい方向に流れ、正しいことに使われることを願って。

 

本日、2019年6月14日に

チケット不正転売禁止法

が施工されました。

www.sankei.com

 

この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )は京都でGROWLYというライブハウスを運営しています。

 

ライブハウスに入場するには、一般的にはチケットを購入しなければいけません。

チケットがソールドアウト(完売)するイベントばかりではないですが、

チケットを販売し、購入した人がライブを楽しみにやって来るライブハウスとしては、チケットの不正転売は他人事ではありません

 

そこで今回は、チケット不正転売禁止法が施行されたのをきっかけに、

改めてチケット転売について考えてみたいと思います。

 

レディゴォ!

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http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/index.html

 

チケット不正転売禁止法の施行が音楽業界に革命をもたらす

法改正によりチケット不正転売が禁止されたことは、音楽業界にとって偉大な一歩だと言えます。

 

チケット不正転売とは

僕が小学生くらいのころ、両親に連れられて福岡ドームにプロ野球を観に行ったときのこと。

ドームの付近に怪しいおじさんたちがいて、「チケット余ってない?」って声をかけられました。

父親に「あれはダフ屋って言うんだよ。ダフ屋から絶対に買っちゃいけないよ。」と教えられたのを今でも覚えています。

 

ダフ屋行為は、野球などのスポーツ以外でも横行しています。

チケットを売るライブハウスや音楽フェスでも例外ではありません。

 

路上でのダフ屋行為は、各都道府県の条例で禁止されほとんど居なくなりましたが、

ネット上のダフ屋行為には法の効力が届いていないのが現状でした。

 

ソールドアウトが見込めそうなイベントのチケットを大量に買い込み、

それを販売することで差益を得る輩が横行していました。

 

チケットには数に限りがあります。

供給(キャパシティ)より需要が上回ることも多いです。

むしろそれ(ソールドアウト)を願ってるアーティストや主催者がほとんどです。

 

需要と供給のアンバランスを見抜くのは商売の基本です。

しかし、チケットは二次販売を見込んで販売されていません

(一般の卸売などは、二次販売を見込んでの価格設定がされています。)

要は、(聞こえのイメージが悪いですが)チケットの価格は末端価格なのです。

そこにつけ込んで利益を得ようとする輩は絶対に悪です。

 

チケット不正転売禁止法とは

正式名称は

「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」

で、略称が「チケット不正転売禁止法」になります。

平成30年12月14日に平成30年法律第103号として公布され、この記事を書いている本日令和元年6月14日から施行されました。

 

内容は以下のとおりです。

映画や音楽、演劇、スポーツなどのチケットのうち、有償譲渡禁止の明記などの要件を満たした「特定興行入場券」の不正転売を禁じる法律。転売目的でのチケットの譲り受けも処罰対象で、違反した場合は1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方が科される。

引用元 : https://www.sankei.com/west/news/190612/wst1906120017-n2.html

 

簡単に言うと、利益目的で、販売価格より高い価格で販売する行為が違法となり、処罰の対象となります。

一応今回は転売を「業」として(仕事・業務として)販売する行為を禁じていますが、

個人であっても不正転売を繰り返した場合、処罰の対象となる可能性が高いです。

 

販売側だけではなく、購入側も処罰対象になるので注意してください。

 

アーティストからの共同声明も後押し

「#転売NO」という活動をご存知でしょうか。

チケット不正転売については、以前より問題視されてきました。

その問題に対して2016年に国内アーティスト116組により「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明が発表されました。

それが朝日新聞や読売新聞に掲載され、話題になったのは記憶に新しいです。

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https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1608/22/news137.html

この共同声明が法改正に対して与えた影響は少なからずあると考えます。

 

先述したように、チケット販売は二次販売での利益が容認されていません。

しかしそれは通例であって、法的効力は弱いものでした。

それが通例ではなく、販売者が強く希望していることを明確にすることによって、法改正へ進んだと思われます。

 

「そんなこと考えたら分かるやろ」ではなく、きっちり声を上げることは大切だなと考えさせられました。

 

音楽の違法ダウンロードも同じ流れに続いて欲しい

先日から僕はこのブログやYouTubeで音楽の違法ダウンロードアプリMusic FMのことを取り上げています。

チケット転売のように、音源の違法ダウンロードももっと規制されるべきだと思います。

 

しかしまだ、「無料で音楽聴けるほうが便利じゃん」というリスナーの声や、

「無料で自分たちの音楽を聴いてもらったほうが宣伝になっていい」とさえ言ってしまうアーティストの声もあります。

 

もちろん自らの意思で無料で聴いてもらう宣伝方法は全く間違っていません。

しかしMusic FMはそれを勝手に行い、それで収益を得ているので完全なる悪です。

 

なので僕は、Music FMなどの音楽違法ダウンロードについても、アーティストや音楽協会から声を上げる必要があると思っています。

 

東京オリンピック・パラリンピックも見据えている

ちょっと音楽の話からは逸れますが、今回のこのチケット不正転売禁止法の流れは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを想定しているとされています。

 

海外からも多くの観客が見込まれています。

そんなオリンピックでチケットが不正に買い込まれ、完売しているのにガラガラの客席で見たい人が中に入れなかったり、必要以上にお金を使ってしまえば、日本の悪いイメージが全世界に伝わってしまうためです。

 

東京オリパラに向けては電子マネーの普及や屋内全面禁煙(2020年4月施行)などの整備で、よりよい日本を作る流れがあります。

 

海外からの観客にも、日本在住のみんなにも、日本が良い国になるためには今後の法改正も必要なのかも知れません。

 

まとめ

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チケット不正転売禁止法は音楽業界のためだけのものではありません。

先にあげた東京オリパラに代表されるのスポーツのチケット、演劇やお笑いなど、様々な分野で用いられるチケットが正常に流通するためです。

 

今までは、不正なやり方で利益を得ていた人間がいます。

その利益はその業界から出ていって、その業界を衰退させてしまいます。

 

例えばオリンピックのチケットを何倍もの価格で買ってしまえば、たくさんの競技を見に行けませんし、グッズやご当地グルメも我慢しなければなりません。

主催であるオリンピックが客席ガラガラでマイナスプロモーション、かつ利益もどこかへ流れてしまってるようでは、本末転倒ですからね。

 

今までチケット不正転売をしていた輩は、少なくとも音楽を「愛している」とは言えません

 

流れるべきお金の方向を正し、行われるべき発展のために使われますように。

このチケット不正転売禁止法の施行が音楽文化を今まで以上に発展させますように。

 

 

関連記事です。

だいぶ初期に書いた記事で拙いですが、今回のチケット不正転売等が正されることを願っていることが、このブログを立ち上げた想いの大きい部分を締めます。

www.kyoopees.net

 

この流れが、Music FMにも続いてほしいです。

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2020年4月に施行される屋内全面禁煙の件も近いうちに記事にしたいと思ってます。

ま、僕は禁煙しましたけどね。

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続きはWebで。もしくは現場で。