京都大作戦の裏側と牛若ノ舞台"宵山"の意義を垣間見る
老人は、
「宵山を制する者は京都大作戦を制す。」
こう言い残すと、塵となって消えた…
2018年も京都大作戦が開催されます!
そして今年は京都大作戦の前夜祭として
「牛若ノ舞台 宵山」も開催されることが決定しました!
開催の約1ヶ月前、6/1に突如発表された宵山。
「これってどういうイベントなの?」
「どういうコンセプトなの?」
という疑問にお答えするために書いた記事です。
"宵山"は京都大作戦のオフィシャル前夜祭として、2015年に初開催されました。
その時はKYOTO MUSEとGATTACAの2会場。
2016年は上記2会場にoctaveとGROWLYを加えた4会場で開催。
しかし2017年は京都大作戦10周年を記念して本祭が3DAYS開催だっため"宵山"は開催されず。
京都大作戦前夜祭イベント、牛若ノ舞台宵山が1年空けて帰って来ました!
わたくし恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )は京都のライブハウスGROWLYを経営しつつ、
開催初年度の2008年から牛若ノ舞台制作として京都大作戦に関わらせて頂いております。
牛若ノ舞台 宵山は、未来の音楽シーンを占う大切なもの。
そして、2018年の京都大作戦をもっと楽しむためのもの。
さらには、今後の音楽人生をもっと豊かにするもの。
私はそう考えています。
というわけで、京都大作戦2018の開催を目前にして、京都大作戦11年の歴史を簡単に振り返りながら、
京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"がどれほど意味のある事なのか
について勝手に解説させてもらいたいと思います!
京都大作戦に参加する人はもちろんのこと、
ちょっとでも京都大作戦やその裏側が気になってる方にじっくり読んで欲しい記事です!
[2019.1.26追記]
2019年の開催が発表されました!
開催発表に対して想いを語った動画を撮りました!
レディゴォ!
京都大作戦とは
京都大作戦を一言で説明すると、
「京都出身のロックバンド10-FEETが主催する、京都宇治で開催される野外ロックフェス」です。
10-FEETの結成10周年を記念して開催することが決定されたのが2007年なんですが、
2007年は台風接近のため開催は中止。
この時は源氏ノ舞台のみでの開催予定でした。
実質の開催は2008年。
この時は源氏ノ舞台と牛若ノ舞台の2ステージでの開催。
源氏ノ舞台は2007年に出演する予定だったアーティスト(ELLEGARDEN、GO!GO!7188、湘南乃風、チャットモンチー、つじあやの、Dragon Ash、MONGOL800等)が全て出演しました。
それから毎年7月に開催され、去年2017年は10周年を迎え、今年2018年は11回目の開催となります。
京都大作戦は10-FEETの意向が色濃く反映されているフェス
京都大作戦は、10-FEET主催の野外フェスです。
もちろんイベンターや設営スタッフ等、ものすごい人数のスタッフが関わっていますが、一日2万人、二日間で延べ4万人を動員する巨大フェスの主催がイチロックバンドなのです。
その事実がまずすごい。
そして10-FEETがアイコン的な存在ではなく、メンバー全員がちゃんとブッキング会議にも携わり、出演バンドを決めていきます。
10-FEETは繋がりをすごく大事にしていて、毎年の制作会議も全て参加し、僕たちと一緒に頭を悩ませてくれています。
マイフォレスト大作戦(ごみの分別や再利用を促す運動)や、ふとん大作戦や東日本大作戦(東日本大震災への復興支援運動)などにも、メンバーの意思が色濃く反映されています。
京都大作戦のすごいところは、10-FEETの意思がちゃんとお客さんに伝わっているところです。
毎年参加してますが、終わった後のゴミがほとんどないです。
10-FEETの呼びかけにより、お客さんが本当にゴミ拾いをしながら帰るのです。
そして、京都大作戦は毎年チケットがソールドアウトするのも特徴の一つです。
これは"京都大作戦"が長年にわたって、オーディエンスの信頼を勝ち取って来たことを意味します。
これは毎年すごいなぁと思わされています。
そんな偉大なフェス京都大作戦に関われている事は、大変貴重なことだと思っています。
京都大作戦の映像作品がDVD/Blu-rayにて発売
百聞は一見に如かず!
ということで、僕が説明するよりご自分の目で見た方が良いと思います。
京都大作戦10周年を記念したDVD/Blu-rayが発売されるとのことです。
2007年から2016年までをドキュメント中心にまとめた「京都大作戦2007-2016 〜心ゆくまでご覧な祭〜」(虹ジャケ)と、
2017年のライブを中心にまとめた「京都大作戦2017 LIVE 〜心ゆくまでご覧な祭〜」(黒ジャケ)
そしてその両方がパッケージされたもの(金ジャケ)
が発売されるみたいです。
普通に見てみたい、、、。
(載せてあるのは全てDVDです。購入の際はDVDとBlu-rayはお間違い無い様に。)
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京都大作戦とわたし
幸運な事に、私は開催初年度の2008年から牛若ノ舞台制作として京都大作戦に関わらせて頂いております。
(写真は2009年、大作戦当日のわたくし。なんか痩せてるしギャル男みたいな髪型。)
初めて参加したフェスが京都大作戦
2008年と言えば当時私は23歳。
実はお客さんとしても野外フェスに行った事が無く、
初めて野外フェスの場に足を踏み入れたのが、裏方として参加した京都大作戦です。
私の野外フェスバージンを奪ったのが10-FEET、ということになります。
2008年、持ち場を一瞬だけ離れて源氏ノ舞台を見に行かせてもらった時の感想は、
「DVDで見たことあるヤツや、、」
でした。(語彙力が乏しい)
京都大作戦に裏方として参加することになった経緯
2008年の開催初年度に、10-FEETが
「自分たちが育った2つのライブハウス、KYOTO MUSEとWHOOPEE'Sのブッキングスタッフに、牛若ノ舞台の制作チームとして参加して欲しい」
「自分たちは今、現場(ライブハウス)でどんなバンドが頑張ってるか、直接知る事はなかなか難しい。だからこそ、現場スタッフの目と耳を信じたい」
ということで、KYOTO MUSEとWHOOPEE'Sの2つのライブハウスの制作スタッフ(ブッカー)に声をかけて頂きました。
当時WHOOPEE'Sの制作スタッフだった僕も参加させて頂くことになりました。
残念ながらWHOOPEE'Sは2011年に閉店してしまったのですが、
毎年京都大作戦の制作の時期になると、KYOTO MUSE行貞さんと"チームWHOOPEE'S"として山田さん(現GATTACA)、古谷さん(現octave)、そして僕(現GROWLY)の合計4人が牛若ノ舞台の制作チームとして引き続き招集されることになりました。
当時23歳の若造だった僕(今でも若造ですが)を参加させて頂くことになったのは本当に光栄な事です。
それから11年、ずっと制作チームとして関わらせて頂いております。
そして、10-FEETが現場の目と耳を10年以上ずっと信じてくれていることも、素晴らしい事だなと思います。
実は京都大作戦に出演している
超余談なんでここは読み飛ばしてもらっても良いのですが笑、
開催1年目の2008年、1日目の牛若ノ舞台のトリに、当時僕がドラマーとして活動していたNO SWEAT REWORLDとして出演させてもらっています。
トリと言っても、源氏ノ舞台のトリ前は活動休止を発表したELLEGARDEN、トリはこの大きい野外フェスを初めて成功させようとしている10-FEET。
そんなデカすぎる存在の裏で出演していた僕たちのライブを見てくれた人は相当レアです。。。
京都大作戦特集の記事にインタビューが(ちょっとだけ)載ってます
去年ですが、京都大作戦10周年を記念して、「別冊カドカワ 総力特集 10-FEET」という雑誌が発売されています。
京都大作戦のこともしっかり書かれていて、ちゃっかり私もインタビューを受け、(ちょっとだけ)載ってますので気になった方は是非。
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京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"がどれほど意味のある事なのか
(写真 : 2015年京都大作戦 牛若ノ舞台 宵山 KYOTO MUSEにて)
京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"が開催される事は、出演する側、見に来る側、そして私たちライブハウスの人間の三者全てに意味がある事だと思っています。
フェスだけでなく、ライブハウスにも目を向けて欲しいという想い
京都大作戦が開催されるたびに思う事が、
「フェスきっかけに、ライブハウスにも目を向けて欲しい」という想いです。
サッカーワールドカップが盛り上がった際に、日本代表の選手が
「サッカー選手はワールドカップだけじゃなく、普段Jリーグで頑張ってる。Jリーグにも興味を持って、応援して欲しい」
とインタビューで答えてるのを見た事があります。
まさにこれと同じことが、音楽の世界でも言えるのです。
京都大作戦に出演するバンドはそのほとんどが、ライブハウスで活動しているバンドです。
少なくとも、ライブハウスで活動して来たバンドです。
もちろん、大型野外フェスは良いものです。
良質なバンドが大集結する、文字通り"お祭り"です。
しかしほぼ毎日、日本全国のライブハウスで音が鳴っています。
ライブハウスが盛り上がれば、そこからフェスに出演するバンドが出てきて、
フェスももっと盛り上がります。
フェスだけでなく、ライブハウスにも目を向けて、"これから"のバンドを応援してくれると嬉しいです。
2018年は牛若ノ舞台宵山(前夜祭)が開催されます
冒頭でも言及した通り、今年2018年は京都大作戦の前夜祭として、
7/6(金)に"牛若ノ舞台 宵山 2018"が開催されます!
今年も2016年の流れを引き継ぎ、京都のライブハウス4会場での同時開催です。
京都大作戦のチケット(万能札)をお持ちの方は、チャージ無しのドリンク代だけで入れます。
お持ちでない方も、1300円+ドリンク代という激安価格で見れます。
(再入場の際は、D代がかかります。詳しくは京都大作戦HPをご覧下さい。)
各ライブハウスが、京都大作戦前夜祭の名のもとに、
"これから"のアーティストを選りすぐりました。
それがこんな価格で見れるんです!
こんな場を設けてくれた京都大作戦、そして10-FEETには感謝の気持ちしかありません。
さらに、宵山開催に尽力して下さったKYOTO MUSE行貞さん、GATTACA山田さんにも感謝です。
京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"が入り口を広げてくれた
京都大作戦は開催を重ねるごとに、巨大なイベントになっていきました。
出演するのは元から狭き門だったんですが、さらにどんどん狭き門になっていきました。
しかし京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"が開催される事によって、
出演するバンド数が増え、京都大作戦に参加する入り口が広がりました。
そして京都大作戦にお客さんとして参加される方も、
新しいバンドを知るきっかけが増えました。
さらには、京都のライブハウスを知るきっかけまで増えてくれました。
京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"が開催される事は、
京都大作戦に関わる全ての人にとってプラスに作用することだと感じています。
GROWLYの乱の出演アーティストについて
京都大作戦 牛若ノ舞台 宵山 2018〜GROWLYの乱〜に出演するのは
HER NAME IN BLOOD
EVERLONG
GIZMO
SHABA
アルコサイト
の5バンドです。
この5バンドという少ないバンド数を選ぶことは、本当に頭を悩ませました。
京都大作戦に限らず、イベントを組む時にはいつも悩むのですが、今回は特にいつもとコンセプトが違うイベントなので悩みました。
というのも、このイベントに推したいバンドなんて山ほどいるからです。
そして、この5バンドは敢えてジャンルをバラバラにしました。
恐らく、ほとんどのバンドが初対バンだと思います。
GROWLYには様々なジャンルのバンドが出演していること、
そしてフェスにはジャンルが関係無い事を意識しました。
(もちろん、大きなくくりでくくれば「ロックバンド」ですが。)
僕はジャンルにこだわることがあまり好きではありません。
特に京都大作戦は、「ロック」という大きなくくりはありつつも、その中で様々なバンドが出演します。
特定のバンド、特定のジャンルだけでなく、色んなジャンルのバンドに目を向けて欲しい、聴いて欲しい、知って欲しいので敢えてこの5バンドにしました。
宵山のタイムテーブルが公開されました
[2018年6月25日追記]
牛若ノ舞台宵山2018のタイムテーブルが公開されました!
各ライブハウス、 出演バンド数やスタート時間が違うので、こうやって可視化されるとわかりやすいですね!
各店舗は若干距離があるので、全バンド見るのは難しいですが、移動する事も可能です!(入場の際にはドリンク代がかかります。)
是非、この機会に知らないバンドに出会って欲しいと思います!
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まとめ
写真 : 2017年京都大作戦フードエリア公◯食堂(こうえんしょくどう)前にて。
京都大作戦では毎年「公◯食堂」の名前でフード出店させてもらってます。
2018年も出店します!(宣伝)
※公◯食堂はGROWLYのスタッフを中心に結成しています。
僕は牛若ノ舞台の舞台袖にいるので、公◯食堂ブースには居ません。
京都大作戦牛若ノ舞台"宵山"が開催される事は、本当に意味がある事だと思っています。
京都のライブハウスに目を向けてもらうきっかけ、
ライブハウスで切磋琢磨してるバンドに目を向けてもらうきっかけになります。
そして、まだまだ"これから"のバンドが頑張るきっかけにもなります。
宵山に出演したバンドが、数年後に京都大作戦本祭に出演するかもしれません。
宵山に参加することが、未来の音楽シーンに貢献することになり、より京都大作戦を楽しむことになり、より自分の視野を広げることになります。
京都大作戦開催まであと1ヶ月となりましたが、この記事が京都大作戦、そしてライブハウスをもっと楽しい場所にできるきっかけになれたら幸いです。
[2019.1.26追記]
2019年の開催が発表されました!
開催発表に対して想いを語った動画を撮りました!
関連記事です。
ライブハウスが果たすべき使命とは、存在し続ける事です。
京都という観光地でライブハウスを営む上で、訪日外国人客への意識は欠かせないと思っています。
フェスで何万人を沸かすバンドも、全員が初心者でした。
未来のフェスアーティストに向けて。
続きはWebで。いや、現場で。
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